デス・オーバチュア
第113話「西方から来た女」




赤、紅、朱……この色は嫌いだ。
だって、これは血の色だから……。
赤より黒がいい、星のない夜のような、全てを呑み尽くすような深淵の闇の色。
でも、黒は売り切れだった。
白も緑も先を越され、残っているのは青と紫。
ああ、まだ青か紫の方が良かったな……なんで、私は赤……『深紅(スカーレット)』なんだろう……。


その人は『真っ赤』だった。
髪と瞳は赤と対極の色である見事な青なのに、お医者さんのような綺麗な白衣を着ているのに、その人はどこまでも赤いのである。
赤……血を常に身に纏っていた。
私もネメシスも遠く及ばない。
この世でこの人以上に血(赤)が似合う人は他にいないと私は確信した。



雪原を一人の少女が舞っていた。
赤い上着とスカート、黒いニーソックス、そして医者のような白衣を着込んだ青い長髪に青眼の少女。
少女は自分を取り囲み斬りかかってくる七体の雪だるまの大鎌を、雪原を舞うようにかわし続けていた。
七本の大鎌は一本たりとも少女にかすることもない。
「もういいわ、解ったから……」
囲みから抜け出した少女が雪だるま達を一睨みした瞬間、雪だるま達が全て跡形もなく爆砕した。
「正真正銘、ただの雪でできている……ただの雪からこれだけの戦闘力を持った兵士を作れるのはたいしたものだけど……これじゃ『殺す』こともできなくてつまらないじゃないの。せめて血ぐらい噴き出すように作りなさいよね。ああ、つまらない」
「……いいえ、これで良かったの……」
ふわりと、空から黒い日傘をさした幼い少女が降り立つ。
「……白衣が血で濡れなくて……とてもとても助かるの……」
「なんだ、もう追いついてきたの、スカーレット?」
「……先生は血が大好きな変態さんだから……いつも白衣を返り血で真っ赤に染めるの……血は落ちにくて困るの……」
「はいはい、あなたは血が……赤が大嫌いなのよね?」
「赤は……深紅は……大嫌いなの……」
「まったく、あなたも変わってるわよね」
「……先生ほどじゃないの……」
「……まあいいわ。わたしはちょっと門を見てこようと思うんだけど……あなたも一緒に来る?」
「一緒に行くの……当然なの……」
「そう……じゃあ……」
少女の言葉を遮るように、突然、雪原から五体の雪だるまが飛び出した。
少女の右手が赤く空を一閃する。
「さっさと行きましょうか。こんな自動防御システム相手にしていてもキリがない上に、面白くもなんともないもの」
全ての雪だるまの頭部(上の雪玉)が横に真っ二つに両断されて崩れ落ちた。
「駄目なの、先生。下だけでも止まらない……の?」
スカーレットが言い終わるよりも速く、雪だるま達の残った下半身(下の雪玉)も全て横に二つに両断され崩れ落ちる。
「これでいい?」
「……無問題なの……」
「そう、じゃあ、行きましょう」
少女は何事もなかったかのように、雪原の坂道を白衣を翻しながら登っていった。



話は少しだけ遡る。
タナトス達がホワイトへやってくる前日の話。
「あら、やっとお目覚めかしら、ソードマスター(剣を極めし者)?」
ガイ・リフレインが目覚めて最初に見たのは、あまりにも予想外な人物だった。
「……メディカルマスター(医術を極めし者)……?」
赤い制服の上に、医者のような白衣を着込んだ青い長髪に青眼の十七歳ぐらいの少女。
良く知っている人物だった。
だからこそ、彼女が『ここ』に居ることに違和感を覚える。
「ここ?……ここは……どこだ……?」
「そうね、雪の街ホワイトってところかしらね?」
「雪の街だと? ホワイトは神聖……」
ガイはそう言いかけて、この異常な肌寒さと、窓の外で降り続ける雪に気づいた。
「雪掻きを始め、雪への対策をしなければ、街が雪の中に全て埋まってしまう……そんな国、街が雪の街を名乗って何が悪いのかしら? 寧ろ自然ではなくて?」
「……異常気象か……?」
「ええ、この国は今、お偉いさんも庶民もみんながみんな、雪への対策が最優先の課題、話題よ」
白衣の少女は、でも自分には無関係といった感じで言う。
「それにしても、二週間……半月近くも眠り続けるなんてね……まあ、あの深手……特に消耗じゃ仕方ないか。普通は回復しないで素直に死ぬだろうしね」
「二週間だと!? そ……」
「ストップ。その手のことはあなたの幼い恋人か、この家の主人にでも聞いて。まあ、一言で言えば、ファントム壊滅、ブラック地上から完全消滅てところね」
「…………」
確かに、この人物に質問するより、アルテミスに質問……というか彼女の記憶を読んだ方が速いに違いなかった。
「……アルテミス?」
アルテミスの意識……気配はガイの中の最奥で眠っているようで、反応がない。
「あなたの小さな恋人なら仮死の眠り中、あなたに負担をかけないように、あなたのエナジーを一切消費しないように、『何もしない』ように努めているのよ……可愛いことね」
白衣の少女の口元にからかうような意地悪げな笑みが浮かんだ。
「ふん……で、なぜ、お前がここに居る? 西方マスターズ一の狂人にして変人であるメディカルマスター様がな……」
「フフフッ、言ってくれるわね。誰があなたを消し飛ぶ寸前のブラックから拾ってきて、治療までしてやったと思っているのかしら? この貸しはでかいわよ、ソードマスター?」
「ちっ、最悪だな。お前に貸しを作るぐらいなら死んだ方がマシだった……」
「フフフッ、心配しなくても貸しはあくまで貸しよ、今すぐ返せなんて野暮なことは言わないから安心していいわよ」
白衣の少女は意地悪く笑いながら、座っていた椅子から立ち上がる。
「もう少し眠った方がいいわ。それともお腹でも空いた? 二週間、点滴だけで食事してないものね」
「……いらん、これ以上お前に貸しは作りたくないからな」
そう言うと、ガイはベッドから立ち上がろうとした。
「あらあら、案外せこいというか、度量がないというか……」
「お前が信用ならないだけだっ!」
「あら?」
白衣の少女は心外といった表情を浮かべる。
「だが、拾われた礼と今日までの治療の礼はいず……」
「患者は患者らしく絶対安静していなさい」
ガイの首筋にいつのまにか『注射器』が三本突き刺さっていた。
注射器は独りでに動き、中の液体をガイに注入していく。
「き……さ……メディ……ア……」
注入を終えた注射器は独りでにガイの首筋から抜け落ち、少女の左手に吸い寄せられるように飛翔した。
「普段のあなたなら、麻酔薬なんて致死量ぶち込んでも効かなそうだけど……それだけ弱っていたら話は別よね?」
白衣の少女は注射器を白衣の中にしまい込むと、とても楽しげに、意地悪げに笑う。
「……メ……メディア……」
ガイは、メディカルマスターの名前を憎々しげに呟きながら、再びベッドに倒れ込んだ。



「あれだけ元気ならもう安心ね。本当、呆れた生命力しているわ……」
メディカルマスター、メディアはガイが眠っている部屋へのドアを後ろ手で閉めた。
「て、わけで後二、三日寝かしておいてやってちょうだいね、家主殿?」
メディアはこの家の主人である少女に声をかける。
「別に部屋一つぐらい何日でも貸してやるが……それより、貴様はいつまでここに居るつもりだ?」
この家の主人である白髪の少女は、真っ昼間から酒を浴びるように飲んでいた。
何日着っぱなしなのか、薄汚れた白い衣装をだらしなく羽織っている。
自堕落の生活の見本のようだった。
「フフフッ、心配しなくてももう出ていくわよ。ソードマスターはもう放っておいても平気みたいだしね」
少女の白い衣装とは対照的に、メディアの白衣は小綺麗である。
「それは助かる。貴様に居座られては、私が安心して堕落できないからな」
「フフフッ、充分だらけてるように見えるけど?」
メディアがこの家に来てから二週間になるが、その間、この少女は酒を飲むか、寝ているかのどちらかの姿しか見せていなかった。
「それより、どう? そろそろドールマスターの名を継ぐ気にならない?」
「またその話か……ドールマスターは先生……我が師ディアドラの称号のはずだ……」
「といっても、あの人、行方どころか生死もここ何年ずっと不明でさ……流石にそれじゃちょっと困るというか……ねえ?」
メディアは顎に右手をあてて、どう言ったものかと考え込む仕草をする。
「あの人がそう簡単にくたばるものか……私の先生、師匠なのだぞ?」
「フフフッ、そう言われると物凄い説得力を感じるわね……まあ、でも実際のところはあなたの師だから凄いんじゃなくて、あの人の弟子だからあなたにも一目置いて、後継に推す気になるのだけど……」
「ふん、言われなくても解っている。私などあの人の足下にも及ばない……」
「人形師にして知恵者、賢者、この世の全てを知る隠者……テオゴニア(神統記)を持つ女か……フフフッ、あの人に比べれば、わたしもソードマスターもまだまだ若造よね」
「…………」
地上、天使界、悪魔界、神界、魔界、星界、さらにもう一つ加えて……七つの世界、すなわちこの世の全ての知識が記された書物、それがテオゴニアだ。
この世にたった一冊しかないその書物をリーヴは以前見せてもらったことがある。
それは、一冊に全ての世界のことが記されているはずなのに、ごく普通の一冊の書物にしか見えなかった。
おそらく、写本と呼ばれる、一つの世界分のことしか記されていないテオゴニアよりも、あのオリジナル(原本)のテオゴニアは薄いに違いない。
いやそもそも、常識的に考えれば、どれだけ分厚かろうと、たかが本一冊にこの世の全ての知識が記せるはずなどないのだ。
ありえない、けれど確かに存在する絶対の知識、それがテオゴニアなのである。
「さて、では、ご期待通り出ていくことしましょう」
メディアは玄関に向かって歩き出した。
「……これからどこへ?」
「そうね、暇潰しにこの雪の元凶でも調べて見ようかしら」
「……元凶……魔性の者か……」
「あなたもつき合う?」
「遠慮する、面倒だ」
リーヴは即答で断る。
「フフフッ、あなたならそう言うと思ったわ。じゃあね、ドールプリンセス(人形皇女)」
メディカルマスターは白衣をマントのように靡かせながら、雪の世界と化している外へと出ていった。



「うざい……エンカウト(遭遇)率が高すぎると思わない?」
「……できの悪いゲーム……なの……」
三十秒から一分ぐらいの感覚で、メディアとスカーレットの行く手には、雪だるまや雪ウサギが雪原の中から出現し、襲いかかってきていた。
「ゲームと違って、倒してもお金なんか手に入らないし、こんなのと何万回戦ったって修行になんてならなくて……強くもならないわよ」
突きだしたメディアの右手から、無数の赤いメスが散弾のように飛び出し、前方の雪だるまを全て蜂の巣にして、崩壊させる。
スカーレットが前に見せた技とまったく同じ技だった。
「……先生、それあんまり使うと……ブラッドポイントが無くなって……貧血になるかもしれないの……」
「勝手に変なポイント作らないでよね……まあ、言いたいことは解るけど……」
メディアとスカーレットの使う赤いメスは、自らの血液を固体化させたものである。
ゆえに、相手を貫き役目を果たした後、メスは元の赤い液体に戻り、雪の中に染み込むように消えていった。
「……んじゃあ、こっち?」
メディアが一瞥すると、雪崩のように迫ってきた雪ウサギ達が、全て自爆するように、唐突に爆砕する。
「……そっちも駄目なの……ESPポイントが無くなるの……」
「ええ? じゃあ、もしかして……」
メディアが赤く輝く右手を横に一閃させると、十体の雪だるまの頭部が全て真っ二つに両断された。
「地道に一体一体素手で切断しろって言うの?」
メディアが右手をもう一度一閃すると、十体の雪だるまの腹部が先程の頭部と同じように全て真っ二つに両断される。
「それが一番、ブラッドポイントとESPポイント……血液と精神力を消耗しないで済むの……」
「ええ〜? ブラッドもサイキックも使えないと、わたしなんてただのか弱い女子高生医師なんだけどな……」
「……説得力欠片もないの、科学と非科学の間の子……」
「失礼ね、医術と心霊術の結晶って言ってよ、科学の結晶幼女」
メディアの赤く輝く両手が空を一閃し、残り全ての雪だるまを崩壊させた。
「……と? ボスキャラ発見!」
メディアの体が一瞬で百メートル以上移動したかと思うと、そこに居た黒い制服の美人に斬りかかる。
「…………」
雪だるま達を容易く切り裂いたメディアの手刀は、いつのまにか抜刀された、美人の右手の細身の曲剣で受け止められていた。
「問答無用で斬りかかってくるとは……地上とは物騒な所なのだな」
「ん? あなたもどこかの学生さん? 見た目はわたしと同じ歳ぐらいの女の子に見えるわね。でも……」
メディアは、美人の剣の背を蹴飛ばし、遠ざかりながら、赤いメスを散弾のように撃ちだす。
「……」
美人は無言で剣を縦に一振りした。
それだけで、剣風が全ての赤いメスを赤い血に戻し掻き消す。
「でも、あなた、明らかに化け物でしょう? そうじゃなきゃ、いきなり斬りかからないわよ、わたしだって」
メディアは注射器を三本、懐から取り出すなり投げつけた。
一閃。
先程と同じように剣の一振りによる剣風が、注射器を全て消し飛ばした。
「ちっ、嫌ね……こういう正当に強い人って……」
小細工など何もない。
剣風……剣が巻き起こす風圧や衝撃波、それだけでこちらのあらゆる攻撃を迎撃……粉砕して無効化してしまうのだ。
「じゃあ、こっちも見えない攻撃っ!」
メディアは右手を突き出すと同時に、相手を睨みつける。
「…………」
「……あれ?」
何も起こらなかった。
「脳味噌ぶちまけろ!」
「…………」
やはり、何も起こらない。
「……内蔵を……」
「無駄だ。どんな系統の力か知らないが、オレに『干渉』することはできない」
メディアの目の前から美人の姿が消失した。
直後、背後でチィンという微かな音。
そして、自らの意志と関係なくメディアの視界が正面から空に向かってずれていった。
「……ああ、なるほど……斬られたのね……」
メディアは上半身だけを雪原に仰向けにして、全てを理解する。
チィンというのは、美人がメディアの横を駆け抜けると同時に斬り捨てた後、剣を鞘に納めた音だ。
下半身は上半身が切り離されたことにも気づかずに、いまだに立ち続けている。
「ああ……あの美人の脳味噌や臓物を内側からバァアン!って……したかったな……綺麗だったろうな……」
メディアは残念そうに微笑みながら、瞳を閉ざした。



「やあ、相変わらず見事な腕だね、カシス」
メディアを切り捨ててから、数分ほど歩くと、一人の少年に出会った。
髪も瞳も黒一色,、黒いロングコートをマントのように靡かせた十代前半に見える少年。
「お前か、何しに来た?」
「誰もパーティに誘ってくれないから、自分から押し掛けに来たのさ」
少年が口元に浮かべた笑みは、どこか気取っているように見えるというか、一言で言えば気障(キザ)な微笑だった。
「……物好きな。お前には関係ないことだろうに……」
「それは君も一緒じゃないかな?」
「…………」
「まあいいさ。じゃあね、カシス、また後で」
少年は、美人と擦れ違い、雪の坂道を降っていく。
「ああ、そうそう、上にはフィノはいないよ」
「解っている。別に奴に用はない。オレは自分の保護対象を探しに来ただけだ」
「ああ、なるほどね。解った、出会ったら君が探してたって伝えておくよ」
少年はそれだけ言うと、雪原に姿を消していった。
「……カシス……黒すぐりか……」
カシス(黒すぐり)……その名は自分と同じ、いや、自分以上にあの少年にも似合う名だろう。
あの少年が、自分のこの姿を見るなり、勝手につけた渾名だ。
ゆえに、自分をカシスと呼ぶのはこの世であの少年唯一人。
「……まあ、嫌いではないがな」
この渾名も、あの少年もどちらかと言うと嫌いではなかった。
ある意味では認めてもいる。
「…………」
しばしの間の後、美人は何事も無かったかのように雪原の坂を再び登り始めた。



「……もう大丈夫なの、先生」
スカーレットは、上半身と下半身が離れて、雪原に横たわっているメディアに話しかける。
スカーレットの表情と声には一欠片の焦りも乱れもなかった。
「……そう?」
突然、メディアの瞳が開いたかと思うと、上半身と下半身が、磁石のように引き寄せ合い、ガチリと引っ付く。
「……ふう、どうやら「触れ得ざる者」に触れてしまったようね」
メディアはゆらりと立ち上がると、手首や肩や肘、腰などの体の関節部が正常に動くかチェックした。
「……アレは次元が一つ、二つ違うの……斬りかかる前に判断できなかった先生が……未熟なの……」
「そうね。素直にその非は認めましょう」
メディアは接合部である腰をさする。
「それにしても、綺麗に斬ってくれて助かったわ。剣風で消し飛ばされたりしていたら……再生も一苦労するところだったわ……」
「……普通は体を真っ二つにされても即死なの……」
「ふむ、確かに時代遅れなこの大陸の医術では助からないかもね……よし、完治した。で……アレも「触れ得ざる者」だと思う、スカーレット?」
メディアは雪原の坂を下ってくる少年に視線を向けた。
「……普通の人間でないのは間違いないの……一目で解るの……纏っている空気が違うの……」
「そうね……」
「やあ、実に興味深い能力を持っているね」
少年は、とてもとても友好的に話しかけてくる。
「血の物質化なんてまるで吸血鬼のような能力だね」
「敵意は無いみたいね……」
「油断しちゃ駄目なの、先生……男はみんな狼なの、ケダモノなの……」
「狼? ああ、それだけは違うと保証するよ」
少年はゆっくりとメディアの目の前まで歩いてきた。
少年は突然左手を振るう。
その手にはいつの間にか血のような深紅の剣が握られていた。
「それは……」
「君達のと同じような物だよ。原理は違うけどね。これは魔力によっての物質化だけど……君達のは魔導……いや、科学ってやつかな?」
「ええ……ナノブラッド……血液中に含まれている目に見えないサイズの機械の力よ……つまり、種も仕掛けもあるの」
メディアは右手に赤いメスを三本出現させたかと思うと、再び消して見せる。
「両断された体を治したのもその機械の力だね?」
「ええ、わたしの力は医療(メディカル)だもの、殺人より治療の方が専門よ」
「……でも、先生自身は……治療より殺人の方が好きな変態さんなの……」
「なるほどね」
少年は深紅の剣を掻き消した。
「ところで……俺の名はナイト、良ければ君達の名前を教えてもらえるかな?」
少年は気障な笑みを浮かべながら尋ねる。
「メディアよ、ただのメディア。たまに思いつきで適当な名字を名乗ることもあるけどね」
「……スカーレット……でも、この名前は嫌いなの……」
「そう、じゃあ、君には他の名前を考えてあげよう。遠慮はいらないよ、渾名を考えるのは趣味だから」
ナイトと名乗った少年は、どこまでも友好的で気障な感じだった。











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一言感想板
一言でいいので、良ければ感想お願いします。感想皆無だとこの調子で続けていいのか解らなくなりますので……。



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